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観光・商業・就業が集う街で”目的地化”するリウボウフードホールの顧客体験戦略とは?-
NEW
PORT導入事例
vol.8
沖縄県那覇市の中心部、国際通りに程近い場所に立地する「パレットくもじ」。創業から長い歴史を持つこの商業施設が、2025年11月にオープンしたフードホール「リウボウフードホール」では、モバイルオーダーシステム「NEW PORT」を導入し、デジタルと人的サービスを融合させた新しい飲食体験を提供している。地元の食材を活かした洗練された飲食店舗が集まるこの空間で、どのような狙いで導入が決定され、どんな工夫がなされているのか。久茂地都市開発株式会社のご担当者に話を伺った。
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久茂地都市開発株式会社
島袋 裕樹様(経営企画室 課長 兼 販売促進部 販売促進課 課長)
進行:高橋力也(スカイファーム株式会社)
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キーテナントが「百貨店」であることから生まれた、「人」を大切にしたハイブリッド運営高橋:
リウボウフードホールの最大の特徴は、モバイルオーダーとホールスタッフによる接客を併用した「ハイブリッド運営」ですよね。完全セルフサービスではなく、あえて人的サービスを残した理由を教えていただけますか?
島袋様(以下敬称略):
やはりパレットくもじのキーテナントが「百貨店」という特性上、人を介したサービスが重要だと考えています。お客様の層としても、時間をゆっくり過ごされたいというニーズがあるんです。市役所が近いこともあって、平日のランチタイムはビジネスパーソンの方も多いですが、週末や夕方以降は、ゆったりとした時間を楽しみたいお客様が中心になります。
ただ一方で、デジタルによる効率化も必要です。そこで、ホールスタッフを配置しながら、利便性の観点でモバイルオーダーも導入しました。特に複数店舗の料理をテーブルに座ったまま注文できるクロスオーダーの機能が非常に魅力的でした。一店舗だけのモバイルオーダーシステムは他にもあると思うんですが、フードホールのような複数テナントが集まる場所で、注文を取りまとめて各店舗のプリンターに出力できるというのは、NEW PORTの大きな強みだと感じています。
高橋:
ありがとうございます。実際、月2回開催されているジャズライブの時間帯などは、モバイルオーダーの利便性が特に発揮されているのではないでしょうか?
島袋:
そうですね。「フライデージャズナイト」として、第2週と第4週の金曜日に開催しているんですが、演奏の音が鳴っている中でも、お客様はストレスなく注文できます。スタッフが声を出してオーダーを取るのは難しい環境なので、この点はモバイルオーダーの大きなメリットですね。おかげさまで、ジャズナイトの日は毎回ほぼ満席になっています。
現金・商品券需要とインバウンド対応を両立させる高橋:
フードホール単体ではモバイルオーダーを導入されていますが、集合レジも併設されていますよね。これは先にあった施設特性上の判断だったのでしょうか?
島袋:
はい。やはり現金や商品券での支払い比率が高いんです。これまでご利用いただいている「百貨店」のお客様を大切にするという観点からも、現金が使えることは当たり前にすべきだろうという発想でした。モバイル決済以外の比率も相当ありますので、そこは無視できない部分です。
高橋:
一方で、沖縄という立地上、インバウンドのお客様への対応も重要かと思います。実際、外国人のお客様の比率はどれくらいなんでしょうか?
島袋:
施設全体で言うと、売上構成比で数%程度が外国人のお客様です。多い時期、特にコロナ前の化粧品の爆買いがあった頃は10%を超えることもありました。国際通りがすぐそばにあって、年間1000万人以上の観光客が訪れる沖縄県なので、インバウンド需要は確実にあります。
フードホールに関しては、まだ想定していたほどインバウンドのお客様のご利用は多くないんですが、年末年始あたりから少しずつ増えてきています。Googleの口コミでも海外の方からの投稿が増えてきているので、徐々に認知されてきているのかなと感じています。
高橋:
NEW PORTの多言語対応機能は、そういったインバウンドのお客様対応において、どのように役立っていますか?
島袋:
多言語対応は本当に助かっています。人手をかけて対応しようとすると大変ですが、システムで自動的に対応できるので、省人化・効率化を図りつつ、お客様のニーズにも応えられる。この点は導入時の大きな決め手の一つでした。
オープン前の不安を乗り越えた、伴走型のサポート高橋:
リウボウフードホールは複数の独立した飲食店舗が集まる形態ですが、システム導入にあたっては、各テナント様の理解と協力が不可欠だったかと思います。準備段階ではどのような課題がありましたか?
島袋:
モバイルオーダーやクロスオーダーの事例がまだ少なかったので、テナント各社様も我々も、正直「どう運用するのか分からない」という状態でした。反発というよりは、「まだ分からないけど、やりながら良いものにしていこう」という感じでしたね。実際に自分たちの店舗でモバイルオーダーやクロスオーダーをやっている事例が少なかったので、多少なりとも不安もあったと思います。
高橋:
そうした不安を解消するために、我々としても現地に足を運んで、開業前1週間ほぼ毎日朝から晩まで開業準備をご一緒させていただきました。実際に一緒に準備を進める中で、どのように感じられましたか?
島袋:
本当に助かりました。実際に足を運んでいただいて、テナントの責任者の皆さんと一緒に色々と実装に向けて伴走していただけたのは非常にありがたかったです。事前に一通りの説明は受けていましたが、我々も使ったことがないシステムですし、テナントさんもそう。そんな中で、逐一対応していただけたことで、なんとか乗り切ることができました。
特にオープン初日は大変でしたね。私自身、3週間ぐらい足の裏がしびれるくらい、ずっとしゃがんで待っているお客様にシステムの説明をしていました(笑)。
高橋:
お客様毎に丁寧に説明されている姿は忘れられません。本当にお疲れ様でした。やはり沖縄という地域は、都心部に比べてモバイルオーダーの普及がまだ進んでいないという実感はありましたか?
島袋:
そうですね。沖縄では、そもそもこういったシステムを体験されたことがない方も多いんです。だからこそ、「テーブルのQRコードを読み取って注文頂ければ、大きなレストランのように全店舗の商品が召し上がれますし、スタッフが配膳もするし、まとめてお会計もできますよ」という分かりやすい説明を心がけました。
当時はスカイファームの皆さんも応援に来てくださり、お客様のご案内や配膳まで、本当にフル稼働でサポートしていただきました。開業時をなんとか乗り切れたのは、本当にありがたかったですね。
運用して分かった、デジタルとリアルを繋ぐ「写真」の重要性高橋:
3ヶ月運用されてみて、当初想定していなかった課題や気づきはありましたか?
島袋:
一番実感したのは、モバイルオーダーとはいえ、現場では紙の写真付きのメニューが欲しいという声を多く頂戴し、デジタルとリアルの両立の難しさを痛感しました。
オープン時には、「どんな形でもいいから、モバイルオーダーの画面に料理写真を必ず載せよう」というのが我々の最低限のゴールでした。少数精鋭でやっているので人手が足りない中、最終的には現場で写真を撮ったりして、とにかくまず載せることを優先しました。
高橋:
我々も写真撮影や、おススメランチの写真付き紙メニューの作成など、システム面以外の部分でも色々とサポートさせていただけたかと思っています。
島袋:
本当に助かりました。写真の撮り方から、デジタルメニューでの見せ方、紙メニューのデザインまで、想定以上のサポートをしていただいて。今でも、おすすめランチの写真付き紙メニューは、継続して使わせていただいています。
高橋さんをはじめ皆様には、単に言われたことだけをやるのではなく、利用者側やテナント側のバックボーンを理解した上で、「こうやった方がいいだろうな」という提案までしていただきました。一つの点だけをぶつ切りで対応するのではなく、全体を見て伴走していただけたのは本当にありがたかったです。
モバイルオーダーがもたらした「余白」で、新しいサービスを高橋:
スタッフの皆さんも、オープン当初に比べて、かなり慣れてこられたのではないでしょうか?
島袋:
そうですね。複数のポジションをこなせるようになってきましたし、少し落ち着いてきたので、お客様とのコミュニケーションを楽しんでもらいながら食事していただけるようになってきました。
高橋:
モバイルオーダーを導入したことで、スタッフの働き方にも変化がありましたか?
島袋:
まさにそこが重要なポイントです。モバイルオーダーでオーダーテイクの時間が削減されたことで、スタッフが他のサービスのことに時間を使える余白が生まれ、これは上質な体験を提供する上で、非常に重要だと考えています。
モバイルオーダーを導入しているからこそできる余白の中で、どういったサービスや提案ができるか。これが今後の課題であり、伸びしろでもあると感じています。
100日を迎えて——食とエンタメを掛け合わせた新たな挑戦高橋:
2月8日でオープンから100日を迎えられますが、この3ヶ月を振り返ってみていかがですか?
島袋:
本当にあっという間でしたね。11月オープンという、小売業としては年末商戦に向かっていく一番ハードなタイミングでのスタートだったので、ずっとバタバタしていました(笑)。でも、飲み放題付きのコースメニューやフライデージャズナイトのような新しい企画も立ち上げられましたし、やりたいと思っていたことを早めに実現できたのは良かったと思います。
高橋:
百貨店が20時や20時半に閉まる中、フードホールは23時まで営業されていますよね。夜の需要開拓という意味でも、ジャズライブは効果的だったのではないでしょうか?
島袋:
はい。夜の認知度向上と集客のために、空間を活かした企画が必要だと考えていました。音楽との親和性は高いと思っていたので、ジャズナイトを始めたんですが、おかげさまでほぼ満席が続いています。予約をいただいてご来場いただけるようになりました。
今後は、スポーツ観戦のパブリックビューイングなども、面白いかなと考えています。去年、沖縄の高校が甲子園で優勝した時に、「パブリックビューイングやらないんですか?」という問い合わせが施設にありましたし、大型スクリーンやプロジェクターを設置して、ビールやワインを飲みながら昼から野球観戦、みたいなことが出来れば最高ですよね(笑)。
高橋:
最近、スポーツバーやライブビューイング会場からのお問い合わせも増えています。コンテンツに熱中すると食の単価が上がらないという課題もあるようですが、モバイルオーダーなら気軽に追加注文できるので、一つの解決策になるかもしれませんね。
島袋:
まさにそうですね。食とエンタメを掛け合わせられる空間なので、「音楽」以外にも色々な切り口でチャレンジしていきたいです。
地方こそモバイルオーダーが活きる——今後の展望高橋:
最後に、同じように地方でフードホールやフードコートを運営されている方々に向けて、メッセージをいただけますか?
島袋:
地方では、モバイルオーダーの普及がまだまだこれからだと思います。都心部に比べて、居酒屋や飲食店でモバイルオーダーを導入しているところが相対的に少ないので、お客様も慣れていない方が多い。大前提として「DX化」という大きな流れには抗えないですし、だからこそ、こういった取り組みを増やしていくことで、日常になっていくと思うんです。また、夜の時間帯こそモバイルオーダーの良さが発揮されると感じています。我々もまだまだ伸びしろがありますし、ジャズナイトのような夜の企画でさらに認知を広げていきたいです。
高橋:
都心部でも、スターバックスやマクドナルドがモバイルオーダーを急速に普及させたことで、他のフードコートでも使えるお客様が増えてきました。リウボウフードホールが沖縄でその役割を果たして、他の飲食店にも広がっていくと嬉しいですね。
島袋:
そうなれば理想的ですね。地方でも確実にDX化は進んでいきますから。各社が切磋琢磨しながら、より良いサービスを提供していければと思います。
伝統を守りながら、新しい価値を創る長い歴史を持つ商業施設に、最新のモバイルオーダーシステムを導入する——一見相反するようにも思えるこの取り組みだが、リウボウフードホールでは、テクノロジーを「人を大切にする」ための手段として活用することで、見事に両立を実現している。
現金や商品券での支払いニーズに応えながら、インバウンド対応も万全に。地元のお客様を大切にしながら、新しい層も取り込む。人的サービスの温かさを残しながら、デジタルの利便性も提供する。
これらすべてを実現するには、現場の声に耳を傾け、一緒に課題を解決していくパートナーの存在が不可欠だった。「困ったら相談できる。必要なものを提供してくれる。そういう関係性があったからこそ、ここまでやってこられました」と島袋氏は語る。
地方だからこそ、人とのつながりを大切にしたい。でも、効率化も必要。そんなジレンマを抱える施設運営者にとって、リウボウフードホールの取り組みは一つの指針となるだろう。伝統と革新の融合 -それは、テクノロジーを使いこなしながら、人の温かさを失わないということだ。
【リウボウフードホール 施設概要】所在地:沖縄県那覇市久茂地
オープン:2025年11月1日
営業時間:11:00〜23:00
(*伊江島Farm stand/[oHacorté] fruit tableの2店舗は10:00営業開始)
特徴:洗練された空間と地元食材を使ったジャンルの異なる7つの飲食店舗が集まるフードホール。モバイルオーダーとホールスタッフによるハイブリッド運営。月2回のフライデージャズナイトなど、食×エンタメの企画も積極的に展開。
◼︎会社概要
社名:スカイファーム株式会社
所在地:神奈川県横浜市西区みなとみらい2ー2ー1 横浜ランドマークタワー
代表者:代表取締役 木村 拓也
設立:2015年7月
事業内容:施設向けモバイルオーダープラットフォームの開発・運営
スカイファームは、テクノロジーを活用することによるテナント支援、不動産価値の向上及び快適な時間と空間の提供を目指しており、商業施設DXプラットフォーム「NEW PORT」を運営しています。
https://sky-farm.co.jp/
◼︎NEW PORTとは
NEW PORTはデリバリー、テイクアウト、テーブルオーダー、OMOを備えた施設特化型モバイルオーダーシステムです。独自スクラッチ開発を要せずスピーディー且つフレキシブルに施設独自のサービスの展開を実現いたします。
https://www.new-port.jp/
◼︎本件及びNEW PORTに関するお問合せは下記までご連絡ください
E-Mail:marketing@sky-farm.co.jp
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