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万博デザインの革新、『こみゃく』が描く未来の共創社会
万博のレガシー「こみゃく」が広げる二次創作の可能性
2025年日本国際博覧会協会は3月30日、大阪・関西万博のデザインシステムに関する二次創作ガイドラインを策定しました。このガイドラインにより、万博のシンボルキャラクター「こみゃく」を中心としたデザインエレメントが、個人による創作活動の対象として正式に認定されました。このことは、1970年大阪万博の「太陽の塔」のように、新しいレガシーとして社会に浸透していく可能性を示唆しています。
二次創作ガイドラインが対象とするのは、個のいのちを表わす「ID」(通称:こみゃく)です。ガイドラインが定められた3月30日以降、非営利・私的利用に限り、個人SNS・ブログへのイラスト投稿やハンドメイド作品(ぬいぐるみ、雑貨、衣装など)の制作が可能になりました。ただし販売・配布・貸与することは、有償無償問わず不可とされており、商品の製造・販売にはライセンス契約が必要とされています。
デザインシステムに組み込まれた「生きたデザイン」の概念
万博のデザインシステムは、印刷物や映像、会場内外の装飾、グッズのパッケージなど、万博のさまざまなインターフェイスを統一し、アナログ・デジタルの境界線を超えて一貫したブランド体験を提供するために作成されました。
注目すべきは、このデザインシステムが意図的に「余白」を残していることです。これにより、デザインは「生きたデザイン」として利用シーンにあわせて変化を続けることができます。この柔軟性こそが、従来の固定的なキャラクターデザインとは異なり、社会全体で共創していくための基盤となっています。
共創デザインシステムの展開と無制限の可能性
さらに注目すべき動きとして、3月31日には「共創デザインシステム」が公開されました。このシステムはEXPO 2025 Design Systemをもとにしており、個人・法人を問わず無償で利用できます。事前に申請フォームから手続きを行ない、博覧会協会およびマスターライセンスオフィス(2025MLO)の承認を得ることで、指定のデザインを活用することが可能です。使用期限は2028年3月31日までを予定しています。
共創デザインシステムのガイドラインが掲げるビジョンは「ルールとしてのデザインから、問いかけるためのデザインへ」です。この方針は従来の一方的な規制から、対話と創意工夫を促す環境へのパラダイムシフトを表しており、今後もソフトウェアのように随時アップデートしていくとのことです。
デジタルツールによる創作支援と社会への浸透
創作環境の整備も進められており、「こみゃく」が簡単に描けるお絵描きツールも公開されました。このツールは万博の思い出を楽しくしたり、プライバシーを可愛く保護したりできるもので、無料で自由に利用可能です。ユーザーが描いた画像は、二次創作ガイドラインに従って利用されることが想定されています。
万博レガシーとしての社会的意義
「こみゃく」を通じた二次創作ガイドラインと共創デザインシステムの展開は、万博をその時点での一過性のイベントに留めず、社会全体で育てていくビジョンを示しています。個人の創意工夫を尊重しながらも、ブランド価値を守るバランスの取り方は、現代の共創社会においてひとつのモデルケースとなる可能性があります。今後、「こみゃく」がどのように進化し、社会に根ざしていくのか、その動向は注視する価値があります。
