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副首都構想が始動 地方創生の実効性と大阪の制度選択が焦点に

副首都構想が始動 地方創生の実効性と大阪の制度選択が焦点に

副首都構想が制度段階へ 大阪の選択が焦点に

東京圏で大規模災害が起きた際に、国の中枢機能を代替する「副首都」の整備に向け、関連法と指定要件を定める政令が2026年10月30日に施行された。政府は首都機能のバックアップに加え、地方への投資や産業の集積を促し、東京一極集中の是正につなげる構想を掲げる。指定要件には人口、経済規模、国の出先機関の数などが盛り込まれ、北海道、愛知県、大阪府、福岡県の4道府県が候補となる見通しだ。

制度が動き出したことで、議論の焦点は「どこを指定するか」だけでなく、指定地域がどのような行政体制を整え、災害時の代替機能や地域経済の強化を実現するかへ移っている。とりわけ大阪では、府と市の統治機構をどう設計するかをめぐり、複数の政治勢力が異なる案を示している。

大阪府連は「府市連携」を軸に検討

自民党大阪府連は10月31日、副首都指定に向けた統治機構などを検討するプロジェクトチームの初会合を開いた。府連会長の松川るい氏は、府と大阪市が連携する「タッグ案」で、まず副首都を目指すことが有効との考えを示した。会合では副首都制度の目的や要件について説明が行われ、府議・市議らを交えた意見交換も実施された。

副首都に必要な行政体制としては、①大都市法に基づいて特別区を設置する方法、②道府県と政令指定都市が連携協約を結ぶ方法が想定されている。日本維新の会が進める大阪都構想は、大阪市を廃止して特別区に再編する案だ。一方、自民党府連は大阪市を存続させたまま府市連携を強化する方式を選択肢として検討している。公明党大阪府本部も、大阪市を残す連携協約が望ましいとの立場を示している。

都構想をめぐる対立と制度選択の難しさ

大阪都構想は過去2回の住民投票で否決されてきたが、副首都指定の要件が新たな議論の契機となった。自民党府連は大阪市存続を前提に副首都を目指す方針を確認する一方、都構想への反対を明確に打ち出すかどうかは慎重に扱っている。府連内には、賛否の構図を繰り返すより、大阪の発展に最も有効な制度を冷静に比べるべきだとの意見がある。

連携協約方式は、既存の府と市を維持しながら合意形成を進められるため、制度変更に伴う負担を抑えやすいとされる。他方、府市の権限分担や危機時の指揮命令系統を明確にしなければ、迅速な対応を妨げる懸念もある。特別区方式は行政の再編を伴うため、権限や財源の移譲、住民サービスへの影響を丁寧に説明する必要がある。どちらの方式を選ぶにしても、制度の名称や政治的な勝敗ではなく、実務上の機能と住民への効果が問われる。

地方創生の実効性は具体策で問われる

副首都構想が地方創生につながるかは、指定そのものではなく、その後の投資や雇用が地域に根づくかで決まる。国の機能を代替する施設や通信・交通網を整備するだけでなく、企業や人材を呼び込み、地域の産業と結びつける政策が必要だ。支援策が一部の大都市に集中すれば、東京一極集中を緩和するどころか、地域間の格差を広げる可能性もある。

また、災害時のバックアップを実効的にするには、首都圏との同時被災リスク、複数の災害が連続する事態、行政・企業の業務継続計画を幅広く検証しなければならない。政府は2027年10月をめどに整備の基本方針を定める予定とされる。大阪では来春の統一地方選も見据え、府市連携か特別区設置かという制度選択が政治課題となる。副首都構想の成否は、住民への説明、財源の明示、災害対応の実地検証を積み重ね、地域の暮らしと経済に成果をもたらせるかにかかっている。